無理は絶対にするな
任意整理で陥りやすい失敗は、債務者が無理をしてしまうことだと思います。このことは、自力で任意整理をした場合でも、弁護士や司法書士に頼んで任意整理した場合でも同じです。
任意整理では、債務者側から和解案を提示するのが多いと思います。債権者には債務者が毎月いくらなら支払いできるかはわかりませんので、最初は債務者側が和解案を提示することになると思います。
債権者である貸金業者が、債務者側から提示された和解案に快く合意してくれれば良いのですが、そうも上手くいかないことのほうが多いです。
大手の貸金業者の中には、余程減額された無茶な和解案でない限りは、文句を言わずに合意するといったところもあります。
その一方で、絶対に債務者側が提示した和解案には合意しないというところもあり、私が勤務していた消費者金融業者も、どちらかといえば合意しないほうだったと思います。
任意整理は交渉ごとになりますので、貸金業者が合意できないと言ってそれで交渉が決裂するわけではありません。
貸金業者は、合意できないことを伝えると同時に、合意できる和解案を債務者側に提示するのが一般的です。
そして、債務者側がそれに合意するかどうかの返事をして、新たな和解案があれば提示するといった感じで交渉が続くわけです。
ここで注意したいのは、毎月の返済額が1万円しかできないにもかかわらず、無理をして毎月1万5千円の返済額で合意してしまうことです。無理して合意しても、後々苦しくなるのは目に見えますよね。
任意整理は和解することが目的ではなく、和解して返済を続け、完済することが目的です。そのことを忘れないようにしましょう。