親族の一括払いで減額してもらう
私が勤めていた消費者金融業者は、任意整理での和解には厳しい対応をしていたほうだと思います。
他の貸金業者が和解に応じる条件でも、和解に応じないことが多いというのは、弁護士や司法書士からよく言われていましたし、特定調停でも同じようなことを言われていました。
これは、任意整理の担当者であった私が厳しかったのではなく、会社がそういう方針であったのです。
ただ、私のような現場の担当者が本部に、もっと任意整理を前向きに考えなければいけないということを繰り返し訴えていましたので、徐々に対応も緩くなっていったと思います。
任意整理に対して厳しい対応をしていた私ですが、債務者の親族の援助によって一括で返済するというときには、大幅な減額にも応じていました。
債務者本人には借金を返す能力がなく、自己破産も止む得ない状況です。ただ、それでは債務者も債権者もあまりにかわいそうなので、債務者の親族がお金を出すと言っているのです。
本来、債務者の親族には借金返済の義務はありません。それなのに代わりに払ってくれるというのですから、私としてもお礼をしたいぐらいです。
しかし、そのことは弁護士もよくわかっていますので、当然減額してほしいと言ってくるのです。
弁護士としては交渉の道具に親族を使っているのかもしれませんが、私としては狸の化かし合いみたいなことはしたくありませんので、ある程度の減額なら素直に減額に応じるようにしていました。
会社的にも仕方がないという形で納得してもらっていましたので、多分他の貸金業者ならもっと大幅な減額にも応じていることが想像できます。
借金で困っている人は、頼り切るのは良くありませんが、最後に頼るべきは親族になると思います。親族の援助で一括返済という事案は、結構ありました。