すべての債権者を任意整理する。
任意整理では、対象とする債権者を自分で決めることができます。
取引が長くて借金が大幅に減額できそうなA社やB社は任意整理して、任意整理しても大して減額されない、まだ取引の浅いC社とD社はそのまま返済を続けるということもできるということです。
また、ヤミ金融業者だけを任意整理したり、知人や親族からの借金はそのままにして、それ以外の借金を任意整理したりするといったことも可能です。
ただ、消費者金融業者に勤務して、いろいろな多重債務者の実像を見てきた経験をもとに言わせてもらうと、任意整理はすべての債権者をその対象とするのが良いと思います。
知人からの借入で金利が発生していないというものであっても、特に返済の期限が設けられていない両親からの借入であっても、貸金業者やヤミ金融業者と同等に考えて、すべてを任意整理するのが望ましいと思います。
任意整理はその対象とする債権者を選ぶことができると言っても、任意整理の最大の対象は自分自身になります。
ただ借金の返済が苦しいからといって任意整理して楽になろうというのではなく、すべての借金を一旦整理して、破綻しないような返済計画を立て、借金を解決するというのが、本来の任意整理の趣旨になると思います。
こちらの債権者には3年で返済する計画を立てても、あちらの債権者を完済するのがいつになるのかわからないというのでは、きちんとした債務整理になりません。
それに、任意整理は債権者と和解して終わりではなく、その後に返済をしていかなくてはいけません。
そのため、任意整理後の返済でつまづかないためにも、すべての債権者を任意整理して、計画的に完済していくことが望ましいと思います。