貸付審査の際に貸金業者が利用する信用情報機関の統一が進まない理由
現在、過剰貸付の抑制のため、国の主導のもとで信用情報機関の統一が進められています。今のように各業態によって別々の信用情報機関を使っていては、本当の意味での過剰貸付の禁止ができないというのです。
これは当たり前ですよね。クレジット会社で言えば、消費者金融でたくさん借金があっても、クレジットカードでの借金が少なければ新たなクレジットカードを発行してしまいます。
そうなると、借りる業態を変えればどんどん借入れができることになってしまい、過剰貸付が増え、破綻する人が多くなるのは自然なことだと思います。
では、なぜ信用情報機関の統一がなかなかできないのでしょうか。それは、5つの信用情報機関の組織のうち、圧倒的に全国信用情報センター連合会が保有している情報の精度が高くて量が多いからです。
信用情報機関を統一するということは、全国信用情報センター連合会が他の4つの信用情報機関に、情報を提供するのとほぼ同じ意味になります。
他の4つの信用情報機関は全国信用情報センター連合会が保有している情報が欲しくても、全国信用情報センター連合会のほうでは、自分の情報を提供するほどの見返りがないというのです。
それほど、全国信用情報センター連合会が保有している情報は優れているということで、それはそのまま消費者金融の貸付審査の精度が高いということも表していると思います。
銀行やクレジットカード会社などでは、疑わしくは貸さないという考えですが、それは多くの情報をもとに判断しているわけではないのです。
一方の消費者金融は多くの正確な情報を活用し、疑わしいという状態にはしないように努力しているのです。
信用情報機関が統一されれば、銀行やクレジットカード会社もそれだけ精度の高い審査ができるようになるということで、健全な金融市場を形成するのに役立つと思います。