
Y田さんの債務整理物語(最終)債務整理後が本当の始まり
個人再生の手続きをして、Y田さんの債務整理は終了ではありません。
本当の再生はここからがスタートなのです。
現実的に考えて、このまま就職先が決まらなければY田さんはずっとアルバイトの生活になってしまいます。
夫妻の収入だけで、毎月3万円の返済と住宅ローンの返済。
子供たちの学費もまかない続けていくのは容易なことではありません。
夫婦の強い希望により、自宅を手放さない方法を選択したことが果たして本当に良い方法だったのでしょうか?
考え方によっては、住宅を手放し、プラスになれば返済原資に。
マイナスになれば一緒に減免処理をし、月々の負担をもっと軽くしたほうが良かったのかもしれません。
また、いっそ自己破産をして、マイホームも手放し債務をゼロにしてから再スタートしたほうが、手っ取り早かったのかもしれません。
実は、個人再生の手続きを取ったものの、その通りに返済を続けることができず結局自己破産に至ってしまうケースも少なくはないのです。
なぜなら、せっかく債務を減らしても原因が残ったままでは再び借金がかさんで首が回らなくなってしまうからです。
しかも一度法的に整理をしている場合には、同じ救済制度は使えません。
より事態が悪化することもあるのです。
Y田さんの場合、会社の倒産という理由があり、これは本人の責任ではありません。
苦労が大きくてもマイホームを残したほうが良いのか。
それは誰にも分かりません。
本人達がこれからの人生において何を重視するかによって異なるからです。

