お金を受け取っていない段階では借金契約は成立しない
お金の貸し借りは消費貸借になります。消費貸借では、貸借の対象物を借主が現実に受け取ってはじめて契約が成立すると民法587条で定められています。
そのため、貸金業者から審査が通ったと連絡をもらい、融資の直前になってどちらかから一方的にキャンセルすることは可能と言うことです。
貸金業者に何らかのミスが生じて、融資が取り止めになってしまったとしても、契約がすでに成立しているから融資しろとは主張できないということです。
知人から借入をするときに、融資直前になっていきなり無理になったと言われた場合でも、契約は終わっているからとその履行を求めるということはできないのです。
逆に、利用者が融資の直前にキャンセルすることもできるということですから、貸金業者2社に申込をして、2社とも審査が通ったときでも、そのうち1社をキャンセルできるということです。
ただ、融資をするという約束がされているわけですから、予約としての効力があるとも考えられます。
直前になって融資を受けられなくなったことで何か損害が生じれば、場合によっては賠償金を請求することもできるはずです。
まあ、借金の契約成立は、あくまでもお金を受け取ってからだということは基本ですので、賠償金については厳しいと考えておいた方が良いでしょう。
契約で不利益を受けないように、契約に関する法律は理解しておくことが大切です。