暴力行為による回収
悪質な貸金業者の中には、暴力行為によって借金の回収をしているところもあります。もちろん、暴力行為による取立は禁止されていますが、法律を守るかどうかはその貸金業者、その担当者の自由です。
大手や準大手といった知名度のある貸金業者なら安心というわけではありません。直接暴力を振るわれるということはないと思いますが、暴力的な態度で返済を迫ってくることはないとは言い切れません。
もし、債務者が暴力を振るわれて取立を受けた場合には、それは刑法208条の暴行罪になりますので、速やかに警察に届け出ましょう。借金の取立にかかわらず、人に暴力をするのは犯罪ですよね。
また、その暴力によって怪我をすればそれは傷害罪になり、一層重い罪となります。
さらに、暴力による借金の取立行為は貸金業法の取立規制にも違反することになります。これは警察ではなく、金融庁に届け出ます。
貸金業者が取立規制に違反した場合には、業務停止や登録の取消といった重い処罰を与えることができます。金融庁では行政処分の申立も受け付けています。
それから、暴力によって怪我をして、それが原因で入院したなどという場合には、治療費や慰謝料を相手に請求することもできます。
ただ、借金が残っていれば、治療費や慰謝料はその借金と相殺されることが普通で、まるまる手元に渡るとは考えないで下さい。
実際には暴力を受けていなくて、暴力的な行為で返済するように脅迫されれば、それは脅迫罪となりますし、貸金業法の取立規制にも違反することになります。
これらは被害者が警察や金融庁に訴えでなければ処罰されないものでもあります。そのため、暴力行為を受けたときには、必ず届け出ることが大切です。