部署を変える
消費者金融業者には、長期延滞者のみを扱う回収専門の部署があるのが一般的です。消費者金融業者の支店では、延滞分の回収よりも貸付業務のほうを優先しなければいけないからです。
どれだけ回収率を上げても、それはマイナスをゼロにするというだけで、決してプラスにはなりません。会社の利益を追求するなら、回収よりも貸付に力を注がなくてはいけないのです。
支店ではどれだけ貸付するかが営業目標となっていますので、そこで回収に力を入れるのは会社としてはマイナスです。
そこで、回収専門の部署を用意して、長期延滞者への回収を一括して行っているのです。
また、督促する部署が変わるというのは、延滞している人にとっては何となく怖いことだと思います。延滞している人には、これまでの部署の回収能力では無理だから、もっと回収能力の高い部署に移されると思えます。
移された先の部署では、とても怖い取立てをされるのではないかと不安になる人も多くいると思います。そうした債務者心理を巧みにつくのが、消費者金融業者の真骨頂なのです。
債権が回収専門部署に移れば、今までのような緩い督促ではないというようなことを伝え、そうなりたくないならすぐに返済したほうが得ですよ、というように返済を迫るわけです。
そう言われれば、怖くなって返済する人もいますよね。どんな督促も慣れてしまえば怖くなくなります。全く未知の督促ほど怖いものはないですよね。
回収専門部署というととても強面の人ばかりの部署に違いないと思えますが、法律で定められた督促規制を守らなくてはなりませんので、督促の内容としてはこれまでの支店と何も変わらないのが普通です。
結局、相手を威圧したり暴力的な行為をしたりするのは法律で禁止されていますので、督促で怖いということはありません。確かに昔は怖いことが多々ありましたが。