家族に聞かれれば言う
消費者金融で働いていると、債務者の家族からの問い合わせが結構多いことに気がつきます。
多いのは、債務者の自宅に郵送した契約書を家族が見たケースと、債務者宛で郵送した請求書類を家族が見たケースです。
電話やインターネット、メールでやり取りしている間は、借金の事実が家族に漏れるということはないと思いますが、郵便物の場合にはいくら本人宛だといっても、家族が勝手に開封して中身を見ることも可能です。
契約書を見たと債務者の家族から問い合わせがあった場合には、ダイレクトメールをいろいろな人に発送しているので、本人が借入れしているかどうかは調べないとわからないとまずは答えます。
そして、調べればわかるが、本人の情報は本人以外には教えることができないので、本人に聞いてもらうしかないと言って電話を切るのが、どの貸金業者でもマニュアル化されていると思います。
一方、請求書を見て債務者の家族から問い合わせがあったときには、請求書には契約日から借金の残額など、契約内容がすべて記されていますので、どうやっても誤魔化すことは不可能です。
その債務者が比較的短期の延滞者であるときには、本人以外には一切お答えすることができないと強引に押し切って電話を切ります。
しかし、その債務者が長期の延滞者であり、全く本人と連絡が取れていないときなどには、本人以外には答えられないと言いながらも、遠まわしに家族に協力を依頼するのが普通です。
ここで言う協力とは、本人の代わりに入金してもらうことや、本人に返済をするように家族からも言ってもらうこと、本人に連絡するように言ってもらうことなどになります。
貸金業者にとっての請求書とは、ある意味では家族が見て電話をかけてくることも想定したものとなっているのでしょう。
また、請求書の差出人名は個人名ですし、必ず封書になっています。そのため、それを債務者の家族が勝手に開封して開けたからといって、それが貸金業者の責任になることは法的にはありません。