厳しいところから払うは定説
消費者金融業界の中での1つの定説に、「債務者は督促の厳しいところから順次返済していく」というものがあります。これは、消費者金融会社に入社した人なら、先輩社員から必ずのように聞かされるものだと思います。
債務者の性格や状況、抱えている問題などは様々です。毎月しっかりと返済期日を守る人もいればそうでない人もいます。
そうしたいろいろな債務者がいるにもかかわらず、どの債務者にもこの定説は当てはまるというのが、消費者金融の世界では長い間信じられています。
厳しい督促を受けるのは誰だって嫌です。返済するお金が足りないなら、厳しい督促をするところだけでも返済しようというのが常識として考えられているのです。
そのため、信用の低い人に融資することの多い消費者金融では、違法にならないよう気をつけながら、できるだけ厳しい督促をしようとするのです。
この定説が消費者金融を非常識な取立て行為にかきたてる原因になっていると思います。確かに、実際に現場で働いてみても、厳しいところから払うという傾向はあると思いました。
ただ、こうした定説が生まれた原因は債務者にあり、債務者が厳しい督促をされればされるほど返済をしなくなるということになれば、逆に厳しい督促をなくすことができると思います。
厳しい口調で返済を迫るような消費者金融業者には、返済を後回しにするぐらいの気持ちがあれば精神的にも楽だと思います。
また、そうすることで、親身になって話を聞いてくれる消費者金融業者への返済を優先することになり、破綻しないで返済を続けられることに繋がると思います。