第3者への聞き込み
消費者金融業者の督促業務には、探偵のようなところがあるというのはよく言います。長期延滞する債務者の多くが、行方不明状態になることがその原因だと思います。
実際、消費者金融業者で働いてみてわかったことは、債務整理をしないで借金を返さない人というのは、お金がない人ではなく、行方不明になって督促からのプレッシャーがなくなった人だということです。
厳しい督促などが問題となることが多い消費者金融ですが、もし消費者金融業者が督促を一切しなくなれば、5人に1人ぐらいは借金を返さなくなるのではないでしょうか。
それぐらい、督促には借金を返済させる力があるのです。
行方不明者は消費者金融からの督促を受けなくなりますので、お金があったとしても贅沢をするだけで、決して借金の返済をしようと考えないものです。
消費者金融業者としては、自分の財産を守るためにも、行方不明者の捜索には力を入れなければいけないのです。
電話での督促や請求書の発送では、一切反応がないという長期延滞者に対しては、訪問という回収方法が行なわれるのが普通です。
しかし、いざ訪問してみると、多くの場合で申告された住所に住んでいません。昼間でもカーテンは締め切られ、電気やガスは料金未納で止められ、全く生活感のない住宅という場合が多いのです。
債務者がどこに住んでいるのかを調べるには、近所での聞き込みしかありません。消費者金融業者の督促担当者は、探偵のように身分を隠して債務社宅の近所で聞き込みをするのです。
この聞き込みによって、債務者の状況がわかったということも多いです。入院したとか、離婚したとこか、実家に戻ったとか、いろいろな本人の情報を知ることができる場合があるのです。
そのうち、消費者金融業者では人探しを副業として始めるところも現れるかもしれません。消費者金融業者の行方不明者を探す能力を侮ってはいけません。