差押をチラつかせる
動物は未知のものには恐怖を感じると思います。人間もそれは同じで、自分が経験したことのないことについては、少なからず怖さを感じると思います。
差押と聞いて、詳しくそれについて説明できる債務者はほとんどいないと思います。わかっていることは、国の力で強制的に財産を没収されるということぐらいだと思います。
どんな財産が没収されるのか、どのように没収されるのかなど、細かいことは何もわかりませんので、差押をすると言われるととても怖いと思います。
消費者金融業者は差押を債務者が怖がっていることを知っていますので、それを利用して借金の回収をするのです。
払わなければ差押すると言われれば、何とか金策して払おうとするのが普通です。消費者金融業者は本当にすぐ差押をチラつかせてくると思います。
でも、消費者金融業者が本当に差押するときには、非常に速やかに行われますし、差押の前に訴訟を起こさなければいけません。
差押するぞと言ってきた場合には、ほとんどの場合で差押をしないと考えても良いと思います。
大昔は差押できる財産の範囲が広く、どんな債務者に対しても有効な回収方法でしたが、現在は差押できる財産の範囲が非常に狭くなり、消費者金融業者に至っては債務者の給与ぐらいしか差押できなくなっています。
しかも、債務者の給与を差し押さえるには、給与の支払先を正確に特定する必要があり、これが意外と困難な場合が多いのです。
差押をするにはいろいろな条件をクリアーする必要があり、口で言うほど簡単ではないのです。
差押をチラつかせて回収しようとするのは、消費者金融業者の得意技みたいになっていますが、ただの脅しと思って対応したほうが良いと思います。