給与の差押中に退職したらどうなる?
給与の差押中に退職した場合には、どうなるのでしょうか?
債務者に給与を支払う会社や人は、債務者が退職してしまえば、債務者に支払うお金がなくなりますので、給与を差押している債権者にも、もうお金を支払う必要はなくなります。
本人が確かに退職したという証明書とともに、その事実を裁判所に報告すれば、その後に給与の差押をした債権者から請求されることはありません。
債務者本人は退職したからと言って借金がなくなるわけではありません。借金が残っていれば、その分をしっかりと返済しなければいけませんし、債権者から直接請求を受けることになると思います。
債権者は債務者が新しい仕事に就けば、いつでも給与の差押することができますが、給与の差押は債務者の勤務先を第3債務者という当事者として申立てることが必要です。
そのため、勤務先が変われば第3債務者も代わることになり、勤務先が変わるごとに裁判所に給与の差押を申立てなければいけません。
もし、債務者が新しい勤務先を巧妙に隠し、債権者に給与の支払い者を知られなければ、債権者は給与の差押に必要な第3債務者を特定することができず、給与の差押を申立てることができません。
退職後の債務者の行動によっては、新たな給与の差押を回避することができると思いますが、どちらにしても借金は返済しなければいけないものなので、しっかりと返済したいところです。
また、退職金も給与と同じ扱いになりますので、退職後にでる退職金は必ず給与の差押を受けることになります。
退職金と最後の給与が同じ月に支払われるときは、相当額が差し押さえられると覚悟したほうが良いでしょう。