しつこく督促する
延滞している債務者にとって、しつこい督促ほど嫌なものはないと思います。
多くの貸金業者は、返済をしない債務者に対してどれだけ嫌がらせができるかで、回収率が変わってくると思っています。
嫌がらせによって債務者が、その貸金業者の督促が他の貸金業者よりも嫌だと思えば、他よりも優先してその貸金業者に返済すると、多くの貸金業者は思っているのです。
確かに、これは正しいという場合が多いと思います。考えてみてください。
A社は債務者が延滞した場合、債務者が返済するまでの間ずっと毎日のように電話で督促をしてきます。
B社は債務者が延滞した場合、債務者が返済を1週間待ってほしいと伝えると、その通りにまってくれます。
債務者にとってありがたいのはB社になると思いますが、お金がなくてどうしてもどちらか一方にしか返済できないとしたら、どちらに返済するでしょうか。
8割、9割以上の人が、A社に返済すると思います。理由はA社のしつこい督促を受けるのが嫌だからで、B社には少し待ってもらえば良いと考えるからです。
これでは、債務者の希望を聞いていたB社は回収率が悪くなり、A社のように厳しい督促をしなくてはいけなくなります。
その結果、貸金業者特に消費者金融業者は、競い合うように督促を厳しくしていくのです。
また、厳しい口調や態度で督促をすると、それが威迫や債務者を困惑させたという督促の禁止事項に該当してしまう可能性が出てきます。
貸金業者ができる督促は、しつこく督促することしか、厳しい督促はできないということです。
ただ、このしつこい督促も最近になって禁止になり、電話での督促は1日に3回までとか、請求書は発送後3日間は再び発送できないといったことが禁止になりました。
今後は厳しい督促やしつこい督促がなくなり、利用者としては胸を撫で下ろすことになると思いますが、その分延滞する人が急増し、遅延損害金を払わなくてはいけない人が増えるかもしれませんね。