給与の差押では勤務先が立て替えることも
強制執行である給与の差押を債権者からされると、債務者の給与を支払っている勤務先がそれを実行しなければいけません。
給与の差押は貸金業者から債務者にすることですが、裁判所から債務者の勤務先にその実行を命令するものです。
債務者の勤務先は裁判所の給与差押命令に従って、債権者への支払いをしていかなければいけません。
債務者の勤務先から債権者へ支払われるお金は、本来債務者に支払われるものなので、特に債務者の勤務先が損をするということはありません。
しかし、債務者の勤務先は法律で定められている差押金額を自分で計算し、その金額を毎月債権者の口座に入金し、それを差し引いた分を債務者本人に支払いするという作業を余分に課せられることになります。
債務者の勤務先の中にはこうした作業を毎月行うのが嫌で、債務者の借金全額を立て替えて一括で返済するというところも結構あります。
また、債務者が勤務先の社長に懇願して借金の返済を立て替えてもらい、長期での返済にしてもらうことも多々あります。
給与の差押では、給与の手取り額の4分の1を債権者に毎月支払うというのが基本になりますので、それではとても生活できないという債務者も多いと思います。
しかし、勤務先に立て替えてもらい、給与の手取り額の4分の1という高額ではなく、例えば毎月1万円といった返済できる範囲での天引きにしてもらうというのです。
債権者から給与の差押をされたときには、どうしようもなければ勤務先に泣きつくという選択もあるということを覚えておきましょう。