取立禁止行為
貸金業者が守らなくてはならない借金の取立に関する法律は、貸金業規制法になります。
貸金業規制法の21条の1項では、「債権の取立をするに当たって、人を威迫し又は次の各号に揚げる言動その他の人の私生活若しくは業務の平穏を害するような言動により、その者を困惑させてはならない」と定めています。
ここで言う威迫とは、脅迫とまでは言えなくても、その言動や動作によって相手に不安を生じさせることで、最後に示されている困惑させてはならないとは、精神的な自由な判断ができない状態にすることです。
この1文で使われている威迫や困惑という言葉は非常に曖昧で、人によって捕らえ方は様々だと思います。
こうした曖昧な表現で規制しているために、貸金業者が遵守することが難しく、債務者がその行為を違法だと訴えることも難しくなっているのです。
一応、この1文の次に具体的なことが示されていますが、それも曖昧な表現が使われているものがありますので、実効性としては薄くなっています。
各号で揚げている禁止事項は、早朝夜間の督促、居宅以外での督促、はり紙や立看板、他社への借入れをみだりに要求すること、第3者へみだりに請求すること、弁護士や裁判所が介入した場合の直接請求になります。
さらに、暴力団への債権譲渡禁止や、貸金業者の督促担当者は証明書を携帯しなければならないということ、日中の執拗な取立行為も禁止とされています。
貸金業者が守らなくてはならない取立規制はまだまだ不完全なように感じますが、禁止事項は今後も増え続け、より具体的になっていくと思います。