悪質な取立を訴える
昔はお金を貸す側である貸金業者の立場が上で、お金を借りた債務者の立場が下となっていましたが、近年この構図がひっくり返っているようです。
昔は、「返済しろ」という取立行為が普通で、債務者に対して命令口調で返済を迫っていました。
返済を渋る債務者に対しては声を荒げて罵倒し、いかに債務者が悪いかということを延々と説教するといったスタイルが確立されていたのです。
ところが、徐々に貸金業者の過酷な取立がマスコミで報道されるようになり、これまで悪質な取立を受けていた債務者らが訴えで始めたことで、貸金業者の苛酷な取立が抑制されていくことになります。
今では、「返済をお願いします」という取立行為が普通で、債務者に対して命令口調を使っただけでも、威迫行為として訴えられるようになっています。
返済を遅れている債務者が悪いにもかかわらず、返済を強く迫ることができない貸金業者は、ある意味ではかわいそうかもしれません。
今は、少しでも債務者が怖いと思った取立行為はすべて損害賠償の対象となりますし、債務者の配偶者や両親が返済したというだけでも、高額な損害賠償が認められています。
このように、債務者が悪質な取立行為を訴えでることで、それが悪質な取立行為をなくすことにも繋がるのです。
悪質な取立行為は減少しているとは言え、それでもまったくなくなったわけではありません。債務者は今後も些細なことでも、悪質な取立行為にはきっちりと損害賠償請求を行っていくことが大切だと思います。