突き放す
督促が厳しいことで知られている消費者金融では、様々な督促のテクニックが生み出されています。
消費者金融は、相手が多重債務者で返済が厳しいことを知っていてもお金を貸しますので、それだけ回収には力を入れなければなりません。
督促のテクニックとして、「突き放す」というものがあります。この回収方法は、言葉の通り延滞者を突き放すもので、人間の心理を巧みについたものだと思います。
長期延滞者の中には、電話督促を受ける度にすぐに入金すると言う人が少なくありません。入金してくださいと消費者金融に言われたから、すぐに入金しますと答えるわけですが、これ自体は間違いではありません。
しかし、入金すると言っても、それを実行しない人がとても多いのです。消費者金融で働くと人間の醜い部分がよくわかると言われますが、実際に働いてその意味がよくわかったという人も多いと思います。
そうした不誠実な人に対しては、普通に入金をするようにお願いしていても、なかなか進展がありません。
そこで、突き放すわけですが、簡単に言えば、もう督促をしないで放っておくということです。督促は誰のためかと言えば返済をしている人のためです。
延滞をすると、遅延損害金を支払い、さらに自分の信用力に傷をつけるのです。貸す側が痛いのは、延滞した人が最終的に借金を全額返済しなかったときだけです。
借金は強制執行などでも回収できますし、あえて何度も電話督促で回収する必要もないというわけです。
そういった事情を説明し、本人の判断に委ねるというのが、突き放すという借金の回収方法なのです。
払え払えと言われれば貸した側が困っているように思え、借りたこちらには痛くないように思えてしまいます。
でも、突き放すという回収方法のように、払わないなら自己破産しても良いけど、最終的には払うというなら、延滞すると痛いのこちらではなく、あなたですよと言われると、何だか払いたくなりますよね。