嘘を見破る
消費者金融で督促業務をしていると、こうも人間は嘘をつくものかと思ってしまいます。それほど、債務者というのは嘘をつくことが多いのです。
「明日払う」と言った債務者のうち、半分は明日になっても入金が確認できないと思います。100人いれば50人は明日払うといってその場しのぎの嘘をつき、消費者金融からの督促をかわすのです。
消費者金融で働いていた頃、もっとも多かった嘘は、親が死んでばたばたしているから返済を待ってほしいというものです。
親が死んで大変だと言っても、それが借金の返済約束を破っても良いという理由になりません。ただ、人間として考えた場合には、そんなときぐらいそっとしておいてあげようというものです。
しかし、実は親が死んだと言うのは大嘘で、自宅に電話すると債務者の親が出て、ぴんぴんしていると言われたことも何度もあります。
多くの消費者金融の督促担当者が、親が死んだときには返済を待ってあげているから、こういった嘘が多いと思いますが、そこまでして返済を逃れたいのかと情けなくなります。
まあ、公務員で親族が死んだと嘘をついて、公休を大量に取得していた人がいるぐらいなので、不思議ではないのかもしれません。
嘘をついて返済を逃れようというその場しのぎは、嘘をつかれたほうも気分が悪いですし、嘘をついた債務者も遅延損害金がついて損だと思います。
ベテランの督促担当者になると、相手の口調でそれが嘘なのかどうかを瞬時に見破ることができると思います。
嘘は必ずどこかで辻褄が合わなくなってきますので、必ず督促担当者には見破られると思います。嘘をつくよりも、正直に返済できない理由を伝えるほうが人としても正しいと思います。
嘘をついてそのとき返済を逃れても、それは問題を先送りにしただけで、結局はどこかで崩壊することになりますので、恐れずに正直に生きましょう。