自転車操業の始まり
貸金業者から借入をして、その後返済を真面目に続けていた人が返済に窮してしまったとき、多くの人はどうするか知っていますか?
貸金業者に連絡して、返済できないことを正直に伝えるでしょうか?
それとも、貸金業者には連絡しないで、そのまま督促を受けても無視を続けるでしょうか?
多くの人はまず自分の融資枠の中でやりくりすることを考えるのです。
真面目に返済を続けてきた人は、借入当初よりも借金が減っているのが普通です。
大手の貸金業者なら、キャッシングをしたときに与えられた融資枠の範囲内ならいつでも借入をすることが可能となっています。
さらに、返済を真面目に続けることでそれが実績となり、融資枠が広がるのが普通です。
当初の借入では融資枠が10万円だったとしても、2年後には融資枠が50万円になっていることもあります。返済を続けていけば、もしものときでもお金を引き出すことができるということです。
融資枠内でお金を引き出せば、それを返済に充てることができます。つまり、延滞しなくても返済ができてしまうということですね。
この方法を用いれば、返済ができなくなってもうまくその場をしのぐことができますよね。
でも、これは賢い金策に見えますが、実のところは金利を支払うことで返済を先延ばしにしているに過ぎません。
複数から借入すれば、この方法で結構な期間をしのぐことができます。しかし、お金を引き出してそれで返済することを続けるのは、自転車操業と言っても良いでしょう。
しかも、普通の自転車操業なら無限にお金を回すことができますが、借金の場合には金利がありますのでそうはいきません。
結局、金利の負担に耐えられなくなって破綻することになります。
融資枠内でお金を引き出してそれを返済に充てる行為は、しのいでいるのではなく、破綻への準備をしていると考えたほうが良いでしょう。