債務整理の成功確率を上げる方法/弁護士へ借金相談するときの鉄則
債務整理する前に、気持ちの整理を行おう
ヤミ金やサラ金から借金をして返済が遅れてしまうと、多くのケースで「今からお金を回収しに行くから、待ってろよ」等という言葉で不安を煽って支払わせるという方法を使ってきます。
ポイントは「今から」「行くから」というこのフレーズですが、実際に自宅まで取り立てに来るケースはそんなに多くありません。
むしろ、取り立てに来るよりも電話や手紙、電報などで催促してくる方が多いはずです。
理由は簡単、取り立てに行くとなれば二人ぐらいで押しかけてくるものですが、タダで自宅までいけるわけではありません。
電車、車を使うことになるので交通費は掛かりますし、人件費も掛かってしまいます。
いくら高金利で利息を受け取っているヤミ金とは言っても、そんなに毎日のように押しかけてられるほど暇でもありませんし、お金は掛けてられないのです。
取り立てに行って支払うという確約もないわけですから、手ぶらで帰ってきては完全に経費だけが掛かってしまいます。
「毎日」のように取り立てが来ていると怯えている人が多いのは、実は自分の置かれた状況を上手く把握できていないケースがあります。
サラ金やヤミ金は取り立てに行く代わりに電話、手紙、電報などを使いますが、中でも電報はドアの前まで電報センターの職員が持参してくるのです。
借金の督促に怯えている人にとって自宅に見知らぬ誰かが来るというのは、精神的にかなりのストレスになります。
業者からの電報だから無視しておけばいいと最初のうちは思っていても、これが毎日のように夜だったり朝早くだったりすると精神的に参ってしまいます。
電報は1通あたり400円程度で配達してもらえるので、取り立てを行う業者からすれば非常にリーズナブルで効果的な方法なのです。
このように電話、手紙、電報、ファックスなどが常時催促されるようになると、借金のことが頭から離れなくなってしまい冷静になれなくなります。
自分の家の近くを歩いているだけの人を見ても、借金取りかもしれないとビクビク怯えるようになります。
人は追い込まれてしまうと勝手な妄想やノイローゼになり、自己防衛に走ってしまいます。
これは人間が精神的に安定しようとするあまり、知らず知らずのうちにそのような行動や考え方になってしまうので、回避するのが非常に難しいと言えます。
そしてこれだけ追い込まれてくると、債務整理という言葉も頭をよぎるようになりますが、まずは自分の置かれた状況と、気持ちの整理から始めた方がいいでしょう。
最初の頃に思っていた「取り立てなど無視すればいいんだ、悪徳業者に負けるか!」という気持ち、これをもう一度思い出して冷静になることです。
業者にとって一番厄介なのは「コイツからは回収できないな」と思わされることです。
脅しても意味がない、効果が無い、回収できない、のであればもっと回収できそうなカモを見つけてそっちに力を注いだ方がいいわ、となるわけです。
業者の脅しに屈して冷静さを失ってしまうと、まさに業者の思うツボになるのですよ。
債務整理の知識を生かすも殺すもあなた次第
債務整理をしなければ自分の経済状態では借金を返済しきれない、もしくはヤミ金などからの借入なんて返せるわけがないと思っている人は大勢います。
そんな借金まみれの人なんて沢山いるわけないと思っているかもしれませんが、意外と身近なところで借金問題に苦しんでいる人はいるのです。
そういった人たちは債務整理のために本を読んだり、弁護士などの専門家に相談することがありますが、基本的な解決法というのは法律に沿って行われますので、一発逆転のような起死回生の方法は殆どありません。
しかし相談してくる人はそのような一発逆転を望む人が少なからずいますし、相談してきて満足して終わりという人もいます。
一発逆転ができないと分かると、諦めてしまう人が結構いるのですが、手にした知識を生かすも殺すもその人次第なのです。
折角、そのまま手続を進めていれば借金の苦しみから解放されるかもしれないのに、家を失うのが怖い、家族に知られるのは嫌だ、もっと楽したい、などと駄々っ子のようなことを言う人がいるのです。
相談料無料で話を聞いてくれる弁護士事務所もありますが、せっかく相談料無料で手にした解決方法も自分で実行する気が無ければ意味がありません。
最悪の状態になってから、あの時もっと早く行動しておけばよかったのに、と後悔しても手遅れです。
借金問題の解決は早ければ早いほどダメージは少なく、その後の第二の人生も滑り出しがスムーズにいくのです。
自分で自分の首を絞めるようなことを絶対にしないでください。
借金で失敗したのなら、それを取り返す機会では絶対に失敗してはいけないのです。
弁護士への相談方法の鉄則を守ることが債務整理成功への秘訣
弁護士などの専門家に借金問題について相談すると決断したら、闇雲に相談するのではなく、しっかりと準備して臨むことが解決へ向けた成功の秘訣と言えます。
どうしても早く相談したい、早く解決したいという気持ちが先走ってしまい、準備をしないままに専門家に相談してしまうと上手く行かないケースが出てきます。
借金返済で困り果てている、悪徳業者の取り立てで精神的に参っているという現実からそれを伝えることさえできれば何とかなると考える人が多いのですが、借金問題の解決はそんな単純なことではありません。
どのような状況で、債務がいくらあって、収入はどれぐらいで、精神状態はどうなのか、家族や身の回りで助けになる人はいるのか、など必要な情報が山のようにあります。
これらの情報をしっかり整理してから、相談に臨むようにしましょう。
そこで相談方法の鉄則7つを紹介します、これら7つの鉄則を守れば借金問題解決への成功確率は格段にアップするでしょう。
1.借金の状況、相談したい内容を箇条書きでまとめる
借金の状況について自分では分かっているつもりでも、人に説明しようとすると歯抜けになったり、まとまりのない内容になることがあります。
それを避けるために、借金がどんな状況にあるのかを箇条書きで良いのでまとめましょう。
いつ、どこから、いくら借りたか、滞納はいくらで、いつからかという具合に時系列で並べていくと比較的簡単にまとめることができます。
また、質問したいと思っていることも簡単にリストアップしておきましょう。
相談に行く直前までは覚えていても、いざ相談に臨むと忘れてしまうことが多くあります。
2.借金に関係する書類を全て用意して持参する(契約書、金融機関の担当社の名刺など)
借金に関する書類は様々なものがあります、契約書、申込書、領収書、取引履歴、督促状、催促状、担当者の名刺、暴行を受けている場合は診断書なども含まれます。
どのような細かいゴミのような書類でも、勝手に不要だと判断しないことです。
また、多重債務に陥っている場合は、できるだけ会社別にまとめましょう。
そして債権者の一覧を作っておくと相談員は貴方の状況をより的確に把握できるようになります。
3.相談の予約が必要なのか、時間などを把握する
相談したいと気持ちばかりが先走ってしまい、相手の状況を確認せずに相談に行ってしまい、予約が必要だった、空いてなかった、必要書類が欠けていたなどはよくある話です。
事前にいつなら相談可能かを電話やメールなどで問い合わせしておき、必要書類なども聴いておくといいでしょう。何事も段取りが大事です。
4.感情的にならず謙虚に相談に臨む
やっと相談できる状態になっても、何とかして早く解決してほしいと言う気持ちがあるため相談員に対して感情的に話をしてしまう人がいます。
感情的になると話が進むものも進まなくなります、できるだけ冷静になり謙虚な気持ちで相談しましょう、相談に乗ってもらっているという気持ちを忘れてはいけません。
ビジネスなんだから、こっちが偉いだろ!という考えは完全に間違っています。
5.相談中の内容は漏らさずメモに残す
相談をしていても中には全くメモを取らずに「うんうん、そうですか」と話を聞いているだけの人がいます。
その時は内容を覚えていても、しばらくすれば内容を忘れてしまうリスクが潜んでいます。
しっかりと話の内容を漏らさないようにメモを取りましょう。
メモを取りつつも、ICレコーダーなどで会話を録音しておけば、後から確認できますので積極的に活用するようにしましょう。
6.不都合な事実も隠さずに話す
相談するからには自分にとって不都合な真実も隠さずに話すことが大事です。
少しでもよく見せたい、不利になりたくないという感情が働き、隠したりウソをつく人がいますが、それは一番やってはいけないことです。
自分にとって不都合であっても、それを相談員に話しておかないと後々の交渉時にその点を業者から指摘された際に、十分な対抗策を練っておくことができなくなります。
相談員は警察でもありません、裁判官でもありません、あなたの借金問題を解決するために必要な事を導き出そうとしてくれているのです。
包み隠さず、ウソをつかず、全てを話すようにしましょう。
7.相談先は簡単に変更しない
相談先を頻繁に変える人がいますが、これは余りよいことではありません。
確かに相談してみたはいいけれど、真剣になって話を聞いてくれないとか、何となく馬が合わないという相談相手もいるでしょう。
しかし、よほどのことがない限り相談先は変えないようにしてください。
目に余る場合は、掛け持ち状態にすることも選択肢の一つです。
このように相談方法について7つの鉄則を紹介しましたが、いかがでしょうか。
面倒だなと思った人もいるでしょう、しかしこれらにしっかりと取り組んだ人とそうでない人とでは成功率が全く違ってきます。
自分の問題ですから、自分を助けるためであればどんなことでもできるのではないでしょうか。
逆に、あなたはいったい誰のために借金の相談をするのでしょう。
誰のためでもない、あなたのためなのです。
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