【借金が返済できない】任意売却すれば住宅ローン問題が片付くのは本当か?
借金を解決するためには的確に判断して、手遅れになる前に対策を打つことが大事です。しかし、焦って結論を出す必要はありません。
ゆっくりしている時間がないのは言うまでもありませんが、煽り文句にそそのかされて間違った方法を選択してしまうと、正しい借金解決ができなくなってしまいます。
最近、流行りになっているのが任意売却(持ち家を売って、返済できない住宅ローンを解決する方法)で、以下のような広告が業者によって行われています。
- 任意売却は借金整理の救世主
- 任意売却なら高い価格で家を売ることができる
- 再出発するには任意売却が最適
- 競売になっては手遅れ、その前に任意売却を!
これだけ見ると任意売却をすれば借金問題が片付いて、バラ色の未来が待っているかのようです。しかし、任意売却をすれば全てが片付くというのは間違いです。任意売却を進めるがために、すぐに返済をストップして手元にお金を残しましょうという煽り文句もあります。一見すると正しいように見えますが、例えば、返済を止めることで期限の利益を喪失してしまえば他の手段が取れなくなります。自分の借金がどういう性質のものなのか、どうするのが最適なのかをしっかりと考えて、焦って結論を出さずに的確に判断しましょう。
任意売却という言葉に騙されない
最近、任意売却を勧める弁護士、不動産業者が目立つようになってきました。これは任意売却によって利益を得ようとする業者たちが、増えていることを意味しています。本来であれば任意売却しなくても良いような債務状況でも、任意売却に持っていき債務者の味方であるかのように装い、利益を得ている業者だと言えます。全ての業者がそのような考えではありませんが、少なくとも任意売却を安易に勧めてくるような業者は信用できません。
業者は以下のようなもっともらしいことを言います。
「住宅ローンが払えなければ、自宅は競売にかけられて、市場価格よりも安い値段で売却されてしまいます。 競売に掛けられてしまうのであれば、より高値で売れる任意売却で自分を守ることを考えてください。」
この言葉は内容だけを見れば合ってますが、絶対正しいとは言えません。債権者は債権を回収することが目的なので、競売であれ、任意売却であれ経費が掛かることはしません。むしろ債権額を減らしてでも長く返済してくれる方が、債権者としてはありがたいのです。セールストークに踊らされて早々に返済を止めてしまい、任氏売却に走ることは避けましょう。
返済が苦しい場合は、債権者としっかりと話し合うこと、これをせずに業者の言われるがままになってはいけません。
不動産を死守したいなら、正しい考え方を持とう
自己破産=資産を持てないという考え方は間違っていません。自己破産するということは、持っている資産をすべて処分しても返済できないからこそ自己破産して借金をチャラにするわけです。しかし、自己破産したからと言って不動産を手放さなければならないというのは絶対ではありません。
個人の持ち物の場合は、不動産であれ関係なく手放すことになりますが、それが共有財産の場合はその限りではないのです。自宅などの不動産は家族の共有財産となっていることがあります。妻や子供が財産の一部として不動産を共有しているケースでは、売却しなくてもいい可能性があります。弁護士に自己破産を依頼すると手放さなくてもいい物件まで、言われるがままに手放してしまうことがあります。非常にもったいなく家族が離散する原因にもなりかねません。絶対に死守したいものがあれば、言われるがままにならず何か方法がないかと模索してください。
その先には見えてこなかった何かがあるかもしれませんし、それが正しいか間違っているかは、悩みぬいた後で結論を出しても遅くはありません。
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