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債権放棄という名の債務整理
もしお金を貸した金融機関が「もうお金を返さなくてもいいですよ」と言えば、貴方の借金はチャラになります。そんな都合のいい話があるわけない!と思っているでしょうが、世の中には貸した側が返さなくてもいいよと宣言することが実際にあります。
これを「債権放棄」と言います。借金を抱えている人からすれば夢のような言葉ですが、想像すればわかるとおり簡単に債権放棄してくれるほど甘くはありません。特に個人の場合は債権放棄に持ち込むには至難の業です。しかし現実には全額でないにしても、一部債権放棄などを行い債務整理している人が多く存在します。
債権放棄に至るにはいくつかの条件があります。
1つ目は、債権放棄しなければ最終的に自己破産してしまい結局回収できなくなるケース。これは債務者に返済を請求し続けても、その経費だけがかさみ回収できずに不良債権化してしまうので金融機関としては少しでも回収できる案を引き出す為に、一部だけでも債権放棄します。そうすることで月々の返済額が減ったとしても、金融機関としては不良債権化を免れます。
2つ目は、企業などへ貸し付けを行っている場合に返済を迫り続けることで、倒産に陥ってしまうとその企業だけでなく関連してる別会社も巻き込んでの連鎖倒産に発展することがあります。そうすると別会社に貸し付けているお金まで焦げ付いてしまうリスクが発生したり、不良債権を抱え続けることは自己資本比率を低下させるなど、経営に影響を出すこともあります。このような問題を避けるために、貸付金の全部または大半を放棄したりします。
上記のどちらも債権者にとって出来るだけダメージを少なくして、将来に渡って可能な限り利益に繋げるために「債権放棄」するわけです。債権放棄することで債権者にメリットがあれば、驚くほどあっさりと債権放棄してくれます。逆に回収できるとわかれば、債権放棄に持ち込むことは殆ど不可能と言えます。
このように債権者に債権放棄させることも債務整理の一種なのです。返済をどうにかしないととか、自己破産するしかない!という追い込まれた状態であれば、債権放棄という名の債務整理を考えてみることも間違いではありません。
住宅ローンが返せないなら任意売却で債権放棄への道を開く
個人が抱える債務の多くは住宅ローンや自動車ローンで、その他はクレジットやキャッシングなどによる多重債務者になります。ここでは住宅ローンの支払いに行き詰り、返済が困難になったケースで、どのように債権放棄への道を切り開くかを説明します。
まず、住宅ローンを組む場合は債権者は物件に対して抵当権を設定します。これは債務者が返済できなくなった場合に、物件を売却するなどして回収できなくなることを回避する処置です。
銀行などから借りた場合、物件への抵当権は銀行が第1抵当権を設定します。この第1というのは売却をした場合に得られる資金を回収する権利が1番目にあるという意味で、返済が滞ると銀行は強気に出てきて家を売ってでも返済してくださいと言ってくる根拠となります。
つまり回収できるものは徹底的に回収するというスタンスは債権者であれば、当然のことですから、ここで活用したいのが任意売却です。最近では競売でも高値で売れるようになってきましたので、競売でも良い場合もあります。そして物件を売ることで手元に資産が残らない場合に、この方法を活用します。物件を売れば、貴方の持つ資産はゼロになるわけですから、仮に残債が残っていても債権者はそれ以上請求するためには法的な手続きを取ることになり費用が掛かります。
そうなれば、あとは「話し合い」に持ち込むことになります。貴方に払える資産、お金、収入が無く回収が見込めない状態で、残った残債についてお手上げをすることになります。自己破産をするしか手段がないとなれば、債権者は債権放棄に応じてくれるか債権者の側から債権放棄を通知してくる可能性もあるでしょう。
これが任意売却によって債権放棄への道を開く方法となります。簡単に言えば、払えるものを払いきってしまえば、あとはどうにでもしてくれ!というスタンスで残った債権を放棄してもらうという考え方です。これにより再スタートに向けた一歩を踏み出すことが出来るようになります。
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