一度、債務整理したのに、その後も借金を繰り返す最悪の事態を避けるには?
何が原因で多重債務になったのかを理解する
多重債務を繰り返さないためには、まず何が原因で多重債務になったのか理解しなければなりません。借金がチャラになったから、過去のことは忘れて人生をやり直すんだと多くの人が考えますが、借金が無かったことになっても「借金をした」という事実が消えるわけではありません。
そのことから目をそらしてしまうと同じことを繰り返すことになります。借金から解放されたときは、もう二度と借金なんてしないと思うものですが、過去の事例から見てもちょっとしたきっかけで再び借金するケースは多く見られます。
そして一度借金してしまい返済が難しい状態に陥ってしまうと、ダメだとわかっているのに多重債務へと足を突っ込んでしまうのです。その時、脳裏によぎるのは「もしダメになっても債務整理すればいい」という、安易な考えです。
借金するというハードルが下がった状態で、尚且つ債務整理すれば何とかなるという返せなかった場合の心理的ハードルまでもが希薄になっているのです。何が原因で多重債務になってのかを理解していれば、そうならないように努力するものですが、その点を省みていない人間の精神力というのは一度味わった経験を覚えてしまうので甘い汁があると思ってしまい、多重債務を繰り返してしまいます。
自己破産したら明るい未来が約束されるわけではない
自己破産したんだから自分は借金から解放されたと喜ぶのは良いです。事実、自己破産すれば借金から解放されますし、悩みも解決して新たな生活をスタートさせることが出来ます。
しかし勘違いしてはいけません。自己破産すれば未来が約束されるわけではないのです。自己破産はあくまでも債務の返済を免責しただけですから、その後の人生は貴方の努力次第になります。
自己破産は全てが上手くいくような魔法か何かと勘違いする人が多いのは、多額の借金がゼロになるという考えもしないようなことが、現実に起こったこと、そしてそれが思ったよりも簡単に出来てしまったことにあると言えます。
忘れてはいけないのが、自己破産すれば少なくとも債権者を泣かせています。連帯保証人になっていれば、保証人に債務返済義務が移行しますから保証人に迷惑を掛けているのです。そういったことを全く意識せずに、数百万円の借金がゼロになって人生をやり直せると勘違いしていると、同じことを繰り返してしまいます。
意識を変えること、新しい生活は自分次第だということを認識すること。二度と借金で誰かに迷惑を掛けないという強い意志を持つこと。それが出来て初めて多重債務を繰り返さない人生のスタートを切れると言っても過言ではないでしょう。
借金は無くなったでしょうが、自己破産したという事実は消えません。つまり気を許すといつでも同じ状態に戻る可能性があると言えるのです。自己破産で綺麗になった体で再出発を切るためには、世の中にある様々な甘い誘惑を乗り越えていく必要があります。
決して未来が約束されたわけではないことを肝に銘じましょう。そして二度と同じ過ちを繰り返さないことを誓いましょう。借金を返せなかったという事実を忘れてはいけません。
多重債務者だと自覚することが大事
多重債務者は得てして自分が多重債務だということを自覚していないことがあります。2、3社の金融機関から借りてるだけだから、多重債務じゃないですよ。とか返済は何とか出来ているので多重債務ではありません。なんてことを言います。自己破産した後でも同じような事を言う人がいるのでビックリしますが、複数から借り入れしている段階で、立派な多重債務者です。2、3社でも10社でも多重債務に間違いありません。
じゃあ1社からの借り入れであれば借金してもいいのか?という屁理屈をいう人もいます。そうじゃないことは分かっているのに、どうしてもこういった思考回路になってしまい、折角、自己破産して借金が無くなったのに同じことを繰り返してしまうのです。
大事なのは自分が多重債務者である、もしくは多重債務者であったということ。多重債務でなくても返済不能なほど多額の借金をした経験者であることを自覚することです。「喉元過ぎれば熱さ忘れる」ということわざがありますが、自己破産者にはまさにこのことわざがピッタリ当てはまります。借金している時はお金を集めて返済することに奔走して、精神も肉体も追い込まれたのに自己破産した途端に苦しかったことを忘れてしまうのです。
自己破産は犯罪ではありませんが、借金を返済できなかった人間だということは紛れもない事実として残ります。どうして自分は自己破産しなければいけなかったのか、これから先借金を繰り返さずに生活するにはどうすればいいのか、そのことに正面から向き合わないとダメです。借金がチャラになったという瞬間の喜びや安堵感は誰でも感じるものですから、そのことを否定はしません。ただ、自己破産の影では泣いている人がいることも忘れてはいけませんし、同じことを繰り返さないという強い決意を持たなくてはいけません。
お金に対する考え方を変えないと繰り返してしまう
自己破産した人に多いのが、お金に対する考え方はあまり変わらないことです。借金しても何とかなるという自己破産をプラスの行為だと認識してしまうからです。実際、自己破産して借金が無くなったのに、再び借金を繰り返して返済不能になる人をたくさん知っています。
自己破産してもその情報が他人にバレたりすることは殆どありません。つまり他人が借金してはいけませんよ、と止めてくれるわけではないのです。自己破産したあとは自分で生活を再スタートさせなければなりません。にも関わらずお金に対する考え方が変わっていなければ、また借金をしてしまいます。
借りたお金は返さなければいけない、という当たり前のことが自己破産すると希薄になってしまうのは本当に悲しいことです。お金はそんなに簡単に手に出来るような安易なものではありません。二回目の自己破産が簡単に認められると思っていたら、大間違いです。
お金を返せなかった原因は様々あると思いますが、多くの場合は借りた側に何らかの落ち度があったからです。そのことをしっかり胸に刻んで自己破産や債務減額によって負担が軽減した場合は、お金に対する考え方を一度リセットして本来あるべき金銭感覚を身に着けてこそ、再スタートが切れると考えてください。
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