悪質業者を口座から追跡した結果
これは、私が消費者金融業者に勤務していたときに、懇意にしていた弁護士から聞いた話です。
弁護士と正規の貸金業者は敵同士のように思われがちですが、ヤミ金融問題に関しては思いは同じです。
弁護士はヤミ金融被害を食い止めるのが依頼された仕事ですし、正規の貸金業者はヤミ金融被害の当事者です。
顧客がヤミ金融業者に手をだせば、自分のところの債権が破綻するのは間違いなく、それによって貸金業者もヤミ金融被害を受けているということなのです。
そのため、弁護士と貸金業者は、ヤミ金融業者の情報について情報を交換することがあります。それによってヤミ金融の対策をそれぞれの立場で立てようというのです。
ある弁護士はヤミ金融業者が使用していた銀行口座から、その所在地や存在を突き止めようとしたそうです。
さすがに弁護士というだけあって、非協力的なことが多い銀行に協力させるなどで、口座の名義人を追っていったそうです。
しかし、最終的にはヤミ金融業者に使われていた銀行口座の名義人にまでたどり着いたのですが、相手はなんとホームレスの男で、もう10年以上も前に悪質業者に通帳とカードを取り上げられたということだったのです。
ヤミ金融の被害者の銀行口座が使用されるというケースは多いらしく、他にもすでに他界した人のものや、身分証明書が偽造されていてまったくの架空名義ということもあるそうです。