身柄を確保されることも
ヤミ金融業者の顧客は、ヤミ金融業者だけからお金を借りているわけではありません。借金をしようとする人が、いきなりヤミ金融に手をだすなんてことは考えられませんよね。
大手や準大手の貸金業者で借金をした人は、借入件数が増えて新たな借入が大手や準大手の貸金業者ではできなくなったときに、中堅の貸金業者からお金を借りることになると思います。
そして、さらに借入件数が増えてしまうと、今度は中堅の貸金業者でも新たな借入ができなくなり、小規模な貸金業者から借入をすることになると思います。
借入件数が増えすぎて小規模な貸金業者からも借入ができなくなったとき、はじめてヤミ金融業者からお金を借りるというのが普通です。
つまり、ヤミ金融業業者を利用する人は、借り入れ件数が10件以上はある人が多いということです。
そのため、ヤミ金融業者としては、利用者が他の貸金業者に入金してしまう前に、自分のところに返済させようと考えます。
ヤミ金融業者でもある程度大手になると、電話での取立よりも訪問による取立が多くなります。直接会って脅しをかけたほうが効果的ですし、1日ずっと一緒にいれば他の貸金業者への返済を防ぐこともできるからです。
実際に、私が消費者金融業者で勤務していたときには、延滞した利用者に電話連絡したときに、利用者がヤミ金融業者と一緒にいるという状況が結構ありました。
また、訪問したときでも、利用者の自宅にヤミ金融業者が数人いたということもありました。行方不明になっている利用者の自宅で、1日中張り込みのようなことをしているヤミ金融業者もいたほどです。
ヤミ金融業者からすれば、本人の身柄さえ確保していれば回収はできるということで、徹底的に本人が行方不明になるのを防ごうとするのです。
裏を返せば、夜逃げは現実に起こっていることで、決して漫画やドラマの世界ではないということですね。