これがおまとめ屋の実態だ
成熟してしまった貸金市場では、これまで貸金業者を利用したことがない人を新たに取り込む術がなく、会社同士で顧客の奪い合いを激しく繰り広げています。
他の貸金業者から顧客を奪う方法はおまとめローンであり、各貸金業者では大々的におまとめローンの宣伝を行なっているのです。
そこに目をつけたのが、おまとめ屋という悪質業者です。以下は私が消費者金融業者に勤務しているときに、顧客のAさんから聞いた話になります。
Aさんは、自宅のポストに入っていたダイレクトメールを見ておまとめ屋に電話してしまったということでした。
ちなみに、そのダイレクトメールには他社10件以上でも超優遇おまとめローンします、などと甘い言葉が並べられていました。
借金の一本化を希望していたものの、すでに何社かに断られていたAさんは、藁にもすがる思いでそのダイレクトメールの貸金業者に電話したそうです。
そこでおまとめローンを申し込んだAさんは、折り返しの電話で審査が無事に通ったことを聞きます。Aさんはこのときとても喜んだそうです。
しかし、翌日融資と伝えられていたのですが翌日になっても入金がなく、その貸金業者から電話が入り、急に融資ができなくなったと言われたそうです。
融資ができなくなった理由というのは、他社のこれまでの利用で延滞したことがあるのがわかったからということでした。
落胆したAさんですが、条件をクリアすることができれば、融資ができると言われます。
その貸金業者では、他社で延滞がある人のために保証金を預ることで融資をしているとのことで、保証金として10万円入れてもらえれば融資ができ、3ヶ月しっかりと返済すればそのお金はお返しするということでした。
Aさんは融資さえ受ければ他社は完済できますし、3ヶ月で返してもらえるならと、他社のカードを使って10万円をかき集めて預けることにしたのです。
そして、10万円を言われた通りに振込みすると、その後は一切連絡がつかなくなったということです。
こういった詐欺があるということを知っていれば騙されませんが、知らなければ騙されても不思議はないですよね。その後、Aさんは自己破産することになります。