変則払いも可能
特定調停の和解では、相手方である債権者が合意してくれるなら、どんな返済方法でも認められています。
返済方法と言うと、普通は毎月定額の返済額を決めて、それを何回払いとするのが多いと思います。例えば、36万円の債務があったとします。
これを3年間の36回払いで払うとすると、毎月1万円の36回払いという形が普通だと思います。
毎月の収入が一定しているという人なら、このように毎月の返済額を一定にして返済していくというのは、理にかなっていると思います。
ただ、事情によっては、このような毎月定額の返済額では難しいという場合や、不利になるという場合があります。例えば、債権者の中に残債務が2万円のところがあったとします。
2万円を長期分割払いというのは、債権者が納得しませんし、支払うほうにしても返済かかる負担が大きくなってしまいます。
そこで、この債権者には2回払いで返済するということで和解しました。しかし、1回目と2回目に1万円ずつこの債権者に返済することで、他の債権者への1回目と2回目の返済が厳しくなってしまいます。
この場合、返済が苦しいのは1回目と2回目だけなので、他の債権者への返済額を1回目と2回目だけ下げることができれば、問題は解決できると思います。
他にも、家族が病気で入院していて、半年後には退院できるというときなどは、毎月定額の返済にするよりは、退院するまでは返済額を少なくして、退院後に返済額を多くするというほうが債権者を納得させると思います。
ボーナス払いを併用したり、自分の収入や出費の変化に合わせたりと、変則的な返済方法で和解することは、実情に合わせた細かな和解をすることになり、よりその和解で示された返済を果たすことができると思います。