過払い金を確認できる
過払い金返還請求の裏技として、特定調停が利用されることがあります。これはあまり褒められた方法ではありませんが、目には目をという言葉があるように、債権者はこの方法をとられても仕方がないと思います。
過払い金返還請求で1番の難関は、貸金業者に正確な取引履歴を開示させることです。正確な取引履歴を開示させることができれば、過払い金返還請求の9割が終わったと言っても過言ではないと思います。
それほど正確な取引履歴を貸金業者に開示させることは一苦労なのです。
貸金業者からすれば、過払い金が発生している場合には、正確な取引履歴を開示することは過払い金が発生していることを証明することになります。
貸金業者は嘘をついてでも過払い金を支払いたくありませんので、過払い金の証拠となる取引履歴の開示にはとても慎重な姿勢を貫いています。
取引履歴の開示請求をしても、すぐに開示してくるところは少なく、こちらがしつこく請求を続けなければ、永遠に開示してこないところも多いのです。
ところが、特定調停を申立てると、普通に取引履歴の開示請求をしても開示してこない貸金業者が、2週間以内には開示してくるのです。
特定調停では、取引履歴の開示を請求しているのは本人ではなく裁判所になり、それに背けばそれなりの処罰が下ることになりますので、抗うことは不可能なのです。
また、特定調停では過払い金の返還請求が目的ではなく、返済することが前提となっています。
取引履歴の開示によって仮に過払い金があることを証明することになっても、相手が過払い金を請求してこない可能性が高く、その場合には開示することで和解したほうが得になります。
ただ、貸金業者の中には裁判所からの取引履歴の開示請求にも応じなかったり、途中開示を初回開示と偽って開示してくるなど悪質なところもあります。
自分で領収書や初回の契約書など、ある程度の資料を揃えておくほうが良いでしょう。