特定調停での決定額
特定調停では、調停期日に申立人である債務者側と相手方である債権者側とで、和解交渉が行われます。その和解交渉で初めに行われるのが、弁済額の決定になります。
いくら弁済するのか決まらなければ、その他の弁済回数などを話し合うことはできません。
また、特定調停で決定される弁済額の算出方法は簡易裁判所ごとに決まっていますので、債権者としてはそれを否定することはできません。
そのため、特定調停で弁済額を決定する交渉は、その金額を確認するだけの事務的なものになりますので、ここで交渉が難航するということはありません。
一般的な特定調停での弁済額の算出方法は、利息制限法で引き直した残債務元金に、和解成立日までの遅延損害金を加えた金額になります。
裁判所によっては遅延損害金をつけないところもありますが、利息制限法で引き直して弁済額を求めることはどの裁判所でも同じです。
遅延損害金や遅延損害金利率については、各簡易裁判所によって違いがあり、またそれは時代によって変化していきますので、ここで正確に示すことはできません。
特定調停では、残債務は必ず利息制限法で引き直されたものになりますので、高利で営業している消費者金融業者からの借り入れが多い場合には、それだけ利息制限法との差額が生まれて残債務は少なくなります。
また、利息制限法による引き直し計算では、返済期間が長ければ長いほどその差額が大きくなります。
そのため、返済期間が5年や10年といった長期になるときには、残債務がゼロになることも少なくありません。