借金は減額されない?
個人再生は借金の2割を3年間で返済すれば残りの8割が免除されるものです。一方の特定調停はこうした借金の減額は基本的にありません。
特定調停は、支払い不能に陥る可能性のある人が行うという点では個人再生と同じですが、今ある借金をそのまま分割払いで返していくことになり、一般的には減額はありません。
ただ、特定調停は和解になりますので、債権者が借金の減額を受け入れてくれれば、借金を減額することができると思います。ただし、債権者が借金の減額を受け入れることはあまりないと思います。
しかし、逆に言えば、特定調停ではきちんと借金を返済する制度ということになります。自己破産や個人再生では後ろめたさがどうしても残りますが、特定調停の場合には払ったという満足感が残ると思います。
借金は誰だってしっかりと返したいと思います。止む無く自己破産や個人再生をするだけであって、返すお金があれば誰だって返すと思います。
そうした心理面で、特定調停は有利だと思います。苦労はしたけど、何とか最後まで借金を返すことができたという人は、借金の苦しさを身にしみてわかっていますので、もう借金をすることもないと思います。
一方の自己破産では、苦しんだ上に自己破産した人は大丈夫だと思いますが、安易に自己破産に飛びついたという人だと、再び借金を積み重ねる可能性がとても高いと思います。
人間は痛い目を見なければ悪い癖は直らないですよね。借金が減額されないなら、減額される個人再生のほうがお得だと言う人は、多分一生借金生活から抜け出せないと思います。
特定調停では借金が減額されませんが、その分苦労することでもう2度と借金を積み重ねませんし、後ろめたいという気持ちが残りませんので、個人的にはお勧めの債務整理になります。
また、借金は減額されませんが、実際には利息制限法に引き直されるので、支払う金額は約定よりも少なくなります。