特定調停後の過払い金返還請求
過払い金返還請求の1つの障害となっているのが、貸金業者が取引履歴の開示に素直に応じないということです。
貸金業者に取引履歴の開示請求をしても、数ヶ月そのまま放置されることも多く、再三の開示請求にもまったく開示してこないことも多々あります。
どうせ取引履歴を開示しても過払い金を支払うだけなので、貸金業者は積極的には開示に応じてこないのです。
ただ、この辺は近年法律が厳しくなり、取引履歴の開示には応じなければならないとなりました。それでも、何だかんだと理由をつけて取引履歴を開示してこないことも多く、この問題が解決したわけではありません。
ところが、特定調停をすると、こうした取引履歴の開示請求に対する問題が簡単に解決されるのです。
特定調停では、裁判所は各債権者に対して2週間以内に全取引の開示を求めます。債権者としてはその求めに応じる他なく、これを拒否することはできないとされているのです。
また、特定調停は過払い金を請求するものではありませんので、貸金業者としても取引の開示にはそれほど抵抗を感じないということも、素直に取引履歴を開示する理由だと思います。
少し知恵のある人なら、特定調停で全債権者に取引履歴を開示させ、その後に過払い金が発生している債権者に対して、過払い金返還請求をするということも考えると思います。
この方法はあまり褒められたものではありませんが、もとはといえば取引履歴を素直に開示しない貸金業者が悪いと思います。
実際にこの方法で過払い金を請求したケースでは、通常の過払い金返還請求と比べてかなり早く過払い金を受け取れるそうです。