特定調停では債権者を選べる
特定調停の特徴の1つに、申立てる債権者を選べるというのがあります。
自己破産や個人再生の手続きでは、相手とする債権者を選ぶことができず、すべての債権者がその対象となってしまいます。
そのため、知人や親類、特にお世話にっている貸金業者などに対しても、債権者の平等を図らなければいけません。
しかし、特定調停では個別に申立てるため、消費者金融は特定調停をして、勤務先からの借り入れ分は今まで通りに返済を続けるということもできるのです。
このように特定調停で債権者を選ぶ行為は、違法ではありませんので安心してください。
借り入れ件数が10件あり、消費者金融からの借り入れが8件、信販会社からの借り入れが1件、知人からの借り入れが1件だった場合に、例えば消費者金融の6件だけを特定調停で申立てることが可能ということです。
ただ、すべての借金を特定調停で申立てることが一般的だと思います。
特定調停は、自己破産のように債権者に対して強制的に債権の消滅を促すものではありません。特定調停はあくまでも債権者との間で和解をするものなので、債権者が和解できるような条件を提示する必要があります。
他の債権者は特定調停をしないで約定通りに返済し、自分のところは特定調停で利息をカットするというのでは、不公平で和解できないですよね。
法律的には債権者の平等は図る必要はありませんが、実際には債権者の平等を図らないと和解が成立しないことが多いと思います。
また、特定調停では各債権者の和解内容に差が生じないように、普通は調整されます。止むを得ない事情などで仕方がないときは除いて、こちらは一括払い、あちらは36回払いといった和解内容にはならないのです。