
特定調停をしてからの自己破産
特定調停で債権者らと長期分割払いで和解した場合には、その後の返済でつまづいて自己破産するケースがよくあります。
1年や2年といった分割払いならある程度大丈夫だと思いますが、3年を超えるような分割払いの場合には、その後の生活環境の変化や予期せぬ出来事が原因で、和解した内容の支払いができなくなることがあります。
特定調停で作成された調停調書は、民事裁判での判決と同等の効果を持っていますので、調停調書に書いてある支払いを守れなかった場合には、債権者に強制執行されるかもしれません。
強制執行されれば、生活がさらに困窮する以外にも、職場に借金で債務整理をした事実が知られることになってしまいます。そのことで解雇にはできないとは言え、職場での居心地が悪くなるのは明白です。
そこで、特定調停をした後の返済ができなくなってしまった場合には、さっさと自己破産をするという人が多いのでしょう。
自己破産を申立てれば、強制執行の手続きがストップされますので、借金が職場に知られることも防ぐことができます。
また、特定調停は債権者との和解になりますので、債権者に返済の相談をすることもできます。でも、債権者の数が多くなれば、それだけすべての債権者と話をつけることが難しくなりますよね。
1社でも強制執行をしてくれば職場に知られてしまいますので、初めから自己破産を申立てるという選択でも良いのかもしれません。
ちなみに、この場合の貸金業者は、強制執行をすることを債務者本人に通知する必要はありませんので、いきなり職場に裁判所からの差押命令書が届くことになります。

