全債権者に知られる
特定調停を申立てると、それはすべての債権者に知られることになります。正確に言えば、すべてのではなく、取引中の貸金業者とその後借入れを申し込んだ貸金業者に知られることになります。
正規に登録している貸金業者は、個人信用情報機関と契約しているのが普通です。この個人信用情報機関では、個人の借入れについての情報を管理している機関で、延滞や自己破産などのブラック情報も扱っています。
貸金業者は、顧客が特定調停を申立てると、個人信用情報機関にそのことを報告する義務があります。これに違反するとペナルティを与えられることになりますので、どの貸金業者も守っていると思います。
そして、貸金業者は顧客の管理を目的に、個人信用情報機関からその顧客の情報を引き出すことができます。この情報は他社のも含むものになります。
そのため、特定調停を申立てたことは、取引している貸金業者であれば知ることができるのです。ただ、業務内容については各貸金業者で様々なので、全くそういった情報を確認しないという貸金業者もあるかもしれません。
もちろん、取引をしているが特定調停の対象としなかった貸金業者ということで、特定調停の相手方となった貸金業者には知られるも何もないですよね。
また、取引をしていない貸金業者は、勝手に個人信用情報機関からその人の情報を引き出すことはできませんが、本人の同意があればそれも可能となり、特定調停のことを知ることができます。
本人から同意を得るときというのは、借入れの申し込みがあったときです。受付では必ず個人信用情報機関で照会することの承諾を求められると思います。
貸付審査では主に個人信用情報機関の情報を使いますので、貸付審査で個人信用情報機関を利用しない貸金業者はいないはずです。
そのため、特定調停をしている人が借入れの申し込みをすれば、申し込み先には特定調停の事実が間違いなく知られることになると思います。